2桁の掛け算のコツ!?ーー筆算が苦手なときに

2桁の掛け算のコツ!?ーー筆算が苦手なときに

2桁の掛け算が苦手で、筆算でも手こずるというお子さんいませんか?

そんなお子さんにおすすめのちょっとしたひと工夫を紹介します。

でも、その前にまずは、筆算でも計算ミスしてしまう理由を考えてみましょう。

1.筆算でも計算ミスしてしまうのはなぜ……??

2桁の掛け算のような計算になると、大人でも暗算でできるという人はなかなかいないかもしれません。 それは、計算の途中で、繰り上がりや繰り下がりの計算がでてくるから。 計算がなにかと煩瑣になるためです。

2桁同士の掛け算の例

お子さんを観察してみてください。 多くの場合、この計算途中の繰り上がりや繰り下がりの計算で苦労していることでしょう。 筆算の方法だと、繰り上がりや繰り下がりの処理は暗算をすることが多いかもしれません。

また、筆算にまだ慣れていない時期だと、小さな文字で処理すべき数字を併記したりするかもしれません。 小学生の段階だと字を小さく書くのが苦手だったり、字が雑ということもあるはずです。

筆算は機械的に決まった順番で処理すればいいだけの計算方法なので解き方を覚えるのは難しくありません。 ですが、繰り上がり繰り下がりの計算というトラップがひそんでいます。 これが、筆算でも計算ミスをしてしまう正体です。

2.コツといいながらも、王道の方法です。

というのも、筆算でやっている計算を、書き出してみるというだけのことだからです。 では実際に書き出してみましょう。

2-1.筆算の順番に、式を書き出してみる。

たとえば、23×84の計算をしてみるとします。

おすすめする方法は、次の順番でするというものです。

①3×4 ②20×4 ③80×3 ④80×20

2桁同士の掛け算の分解による解き方

「筆算と何が違うの?」と思うかもしれません。 でも、全然違うんです。

計算のめんどくさそうなところに注意して計算をすることができるからです。 機械的に処理する筆算だと、めんどくさそうな計算を都度しないといけなくなります。 ですが、一旦書き出す計算方法だと、自ら注意力をはらうべきところを意識することができます。

今回の場合だと、十の位で繰り上がりが生じそうです。 十の位の計算に配慮して、その後、より桁数の大きいものの計算をして、一の位を計算をするという方法をとれればミスが減りそうです。

2-2.面積図で示してみよう。

せっかくなので、これを面積図で示してみましょう。 掛け算といえば、面積図で図示するのは定番ですよね。

2桁同士の掛け算の面積図で解く例

この際のポイントは、一の位と十の位で区切り線を設けるということ。 2桁×2桁の掛け算だと面積図が4つ合体した形になることが多いでしょう。 4つの面積図の面積をそれぞれ求めてみてください。 今回の23×84の計算だと、12、80、240、1600というふうになるはずです。

実はこれ、筆算の過程で求める計算結果と同じです。 4つの面積図を面積を求めていくので、分割してする方法だと、計算をどこまでしたのかわからなくなりがちなお子さんにもおすすめです。

3. 中学の橋渡しとして

2桁同士の掛け算から展開・因数分解の公式へ

面積図を書かなくてもいいじゃん?と感じるかもしれませんが、ここではぜひ面積図を書いてもらいたいです。 この面積図は、中学校の数学の学習の橋渡しになるためです。

もったいぶらずにいうと、中学校3年生でならう因数分解への橋渡しになるからです。まだまだ先だと感じるなら、中学校1年生で学習する分配法則につながるというというと、一応はやってみるか、という気にはなりませんか? めんどくさいかもしれませんが、中学校への連絡をつけるためのものだとおもって、ここでは手間をかけてほしいです。

4. おわりに

2桁同士の掛け算のコツがおすすめな人

さて、この記事では、2桁の掛け算のコツについてご紹介しました。 筆算が苦手な子が陥りがちが、繰り上がり繰り下がりの計算を意識的に注意してみる、というものでした。 中学校での学習にも関わりがある内容ですので、参考になれば幸いです。

おすすめ本

2桁の掛け算のコツ以外にも、計算のコツが知りたいという方には、鍵本聡さんの本がおすすめです。